書籍情報

現代ヨルダン・レポート  アラブの女性たちが語る慣習・貧困・難民

佐藤都喜子 著
仕様
A5判 190ページ
定価
2,000円(税別)
ISBN
978-4-908523-32-8
商品コード
C0039
発行年月
2021年9月
内容紹介
知られざる小国ヨルダン。アラブ世界、中東政治の調整役として重要な位置を占める。そのヨルダンにおける女性たちの生き方、考え方を、迫力ある丁寧な現地聞き取り調査で綴った渾身のルポルタージュ。アラブの女性問題の一端が、生の声を通して語られる。家庭内での女性の位置、離婚、貧困からの脱出、「産む性」としての制限と格闘……。地位向上をめざす彼女たちとともに、JICAのプロジェクトが着々と成果を上げていく。またこの10年に及ぶシリアからの流入難民に対して、同じアラブ人として、女性として何を考え、どう行動したかも記録。襲いかかる新型コロナウィルスなど、アラブ世界の現実を読み解く最適のテキスト。

本書の目次
第1話 アラブの女性とエンパワメント
……貧しい村落でスタートしたプロジェクト/人口3万からの出発/部族長から活動の許可が出る/問題は村に山積!/小規模ローンで夫との関係を変えた女性たち/成長する女性
第2話 アラブの女性と伝統社会
……「イスラム女性に適さない思想」と「規範」/彼女たちの意外な素顔を見た/伝統社会と女性の教育/社会への進出をいかに果たすか/男女席を同じゅうせず
第3話 アラブ世界と関わる方法
……交渉することの意味と重要性/幅を利かす「ワスタ(コネ)」の功罪/イスラム宗教者の大きな役割/一口では言えないアラブ世界の多様さ/パスマ王女との思い出/若者について
第4話 シリア難民とヨルダン
……村民に鬱積する難民への不満/キャンプにはもう住めない/難民は村で辛抱強く生きる/ある女性の証言「私は希望を捨てません」/難民キャンプで活躍する助産師ママ・ムニラ
第5話 シリアに帰る日は来るのか
……六年後に会った彼女たち/「これから一家はどうするつもりですか」/帰国できるまでの一時的保護?/カウンセリングに立ち会う/多発する離婚/難民がもたらす社会の変化
第6話 これからのヨルダン──コロナ禍の未来を探る
……不安と家庭内暴力/アブダッラ国王と「ニュー・ノーマル」
著者プロフィール
名古屋外国語大学教授

上記内容は本書刊行時のものです。